第2回「やってます!こんな住民活動 自慢大会」を開催しました
令和元年8月31日土曜日午後1時30分から設楽町役場議場において、第2回「やってます!こんな住民活動 自慢大会」と題して、設楽町で活動する5つの団体に発表をしていただきました。本年2月に引き続き、2回目の開催となる今回は、講師に特定非営利活動法人せき・まちづくりNPOぶうめらん代表理事の北村隆幸さんをお招きし、発表に対する講評とご講演をいただきました。
この自慢大会は、他の団体に役立つための自慢をしてもらう大会です。発表団体には、参加者からの質問や助言をもらうメリットがあり、参加された方にはご自身の活動に役立つ情報が得られるメリットがあります。設楽町では、住民の自主的な活動がさらに活発になるように、引き続きこの自慢大会を開催して参ります。
発表団体と内容、講評
スモールビジネス研究会 DARA-works
【発表】メンバーの多くは移住してきた方。仕事作りの手助けをお互いに行っている。宣伝活動は特にしていなくても、メンバーが増えていっている。Facebookを利用し、設楽町のPRをおこなっており、行政区域に関係なく宣伝ができている。集まるのは平日の昼間。
【講評】設楽町は課題解決を目的としたテーマ型の組織が少ないので、既にあるコミュニティ型の組織と協働していくことが大切。
【質問と回答】
メンバー構成は?⇒地域おこし協力隊、個人商店、趣味でハンドメイドを行っている方など様々。
会の目的は?⇒ボランティアや補助金頼りではなく稼いで自立するための情報交換。
本町・萩平長生会
【発表】昭和の時代は竹ほうきを販売して活動資金を確保するなどしていたが、老人クラブとしての自主活動が乏しくなったことに危機を感じ、会員に向けてアンケートを行った。その結果、要望の多い「おしゃべりカフェ元気会」を開催、毎回30人ほどの参加者がある。高齢者の引きこもり防止と、孤独死をなくすことを目指している。
【講評】高齢者だけでなく、地域ぐるみで連携しての見守り活動が必要。なかなか高齢者と繋がれない企業と繋がり、寄付をいただくことも。
【質問と回答】
アンケートを取ろうと思ったきっかけは?⇒自分が入会したら、思ったよりも行事が少なかったため、自分の前職での経験を生かしてできることを探そうと思った。
参加しない人を呼び出す方法は?⇒対象者の25%しか会員になっていないため、会員からの口コミで広めてもらっている。
子育てサークルひまわり
【発表】未就園児を対象とした会。年2回のバザーと季節ごとの会を開催。家にこもりきりにならないよう、「ここに来れば誰かおる」という場所を提供。参加者の対象を郡内に広げている。仕事を持つ女性が増えたことで未就園児が減っており、会員数の減少が課題。
【講評】対象者を広げてそれぞれの困りごとに対応する支援に舵を切っても。名古屋では育休復帰支援をしている。
【質問と回答】
父親でも参加できるか?⇒勇気があればできる!
役員の決め方は?⇒経験や、役場とのやりとりができる人を選んでやってもらっている。
豊邦コミュニティ推進委員会
【発表】行政区を横断し、連帯した活動を行っている。資源ごみを回収して資金としたり、運動会を20年ぶりに復活させたりした。介護予防のリーダーは女性に任せている。負担軽減のために、1日で複数の事業を行っている。宝くじ助成金を利用し、自主防災に役立てている。
【講評】関係人口を生み出す取り組みや、他地域の人や団体との協働がすばらしい!
【質問と回答】
事業がすごくたくさんあるが、誰が決めているのか。⇒役員。構成員の高齢化に伴い、事業の見直しを考えているところ。
移住者が3世帯あったということだが、その理由は?⇒Uターンの方もいるが、豊邦の水がいいという理由で来られたかたも。
田口コミュニティ推進委員会
【発表】全区民が会員、各戸年会費500円。環境美化の標語、ポスターを公募。清掃活動やしめ縄、門松講座を開催。小学生や保育園児との交流、広報誌の発行。宝くじ助成金を受け、自主資金を確保。役員の高齢化が課題、若い方々の協力が必要。
【講評】これまでの事業継続だけでなく、ニーズ調査をし組織行事の見直し、改善を。
【質問と回答】
会費を集めるのに不満は出ないか?⇒聞かない。およそ9割の方がご協力くださっている。
活動が長年続く秘訣は?⇒部会をこまめに開催することでお互いに協力し合っており、自分が区の役に立っていると思えること。
講演:NPOと行政が協働で進める岐阜県関市の小規模多機能自治
【講師プロフィール】北村 隆幸 氏
大学院を休学し、石川県七尾市のまちづくりの株式会社に従事しまちづくりを学んだ後、名古屋市内の中間支援のNPOに従事。その後、ふるさと関市でまちづくりNPOを立ち上げ、市民参加型フリーマガジン「ぶうめらん」を創刊。関市の総働によるまちづくりのプロデューサーとして行政、まちづくり団体、コミュニティ組織、商店街等と協働事業を実施。2009年12月より関市市民活動センターの運営を受託。小規模多機能自治のまちづくり推進のために、立ち上げ支援、アンケート支援、ビジョンづくり支援、事業構築支援等を実施。関市地域委員会、美濃加茂市、中津川市等のサポートをしている。NPO法人ぎふNPOセンター副理事長、岐阜大学非常勤講師、岐阜医療科学大学非常勤講師
講演内容要約
小規模多機能自治組織とは
自治会・町内会・区などの基礎的コミュニティの範囲より広範囲の概ね小学校区などの範囲について、その区域内に住み、また活動する個人、地縁型・属性型・目的型などあらゆる団体等により構成された地域共同体が、地域の実情および地域課題に応じて住民の福祉を増進するための取り組みを行うこと。
なぜ今、小規模多機能自治組織なのか
昭和40年代では標準世帯といえば夫婦2人と子ども2人の4人世帯であったが、今やそれは総世帯数の5%に満たず、この国で一番多い世帯構成は一人世帯で33%を超える。家族での支え合いが期待できなくなった社会では行政と地域が問題解決に取り組む必要がある。人口と経済成長が続いていた時代にイベントで人との交わりを作り、その時代に地域組織を作ってきたが、社会の背景が変わった今、組織とイベントの最適化を行う必要があるから。
関市の経緯
自治会を中心に準備会を結成、地域住民によるガヤガヤ会議を開催。住民アンケートを行い、地域振興計画を策定し、地域委員会を設立。小学校区に一つ、拠点施設を持ち、財政支援は市から300万円(事務局人件費も含む)。事務局は地域委員会が人を雇用し、会計、税務等もすべて地域で担う。市職員が地域支援職員となり、各地域に5名配置された。一方で一気に立ち上げた弊害もある。立ち上げがゴールになり、1年目の活動が停滞し、2年目から事業が前年踏襲に。役員以外の地域委員会の浸透や、その役員が高齢男性ばかりであること、行事ごとからの脱却ができないなど。
立ち上げに必要なこと
地域を知り、地域の課題を自分ごと化すること。当て職に頼りすぎない組織化と、地域での機運を盛り上げること。そのために「全住民アンケート」を行うのは有効。
全住民アンケートとは
世帯1票から一人1票へ。満足度と重要度を個人個人から聞き、そのギャップを埋めることを事業として取り組むための手段。
これからの地域組織は
行事から事業へと変化していくとき。小商いやコミュニティビジネスを行ったり、課題解決型の事業を企画したりするようになっていく必要がある。地域が楽しくつながって、分野も立場も超えた関係づくりを。
参加者の声
- これまで知らなかった団体の活動を知ることができた。もっと多くの町民の方に活動を知ってもらいたい。
- 講師の話を聞いて刺激になったので、自分たちの団体の事業の見直しに役立てていきたい。
- 「自慢」という言葉が引っかかっていたが、実際に参加してみたらよく理解できた。
- 現役を引退されても地域のために活動されている方の想いを聞けました。若い世代の方で、このような想いを持つ方はどのくらいいるのかと思いました。
- この会をやりっぱなしにせず、次につなげていくフォローが必要。
次回自慢大会のお知らせ
令和2年2月1日土曜日 予定
自慢大会への出場や、今回までの内容にご質問などがある方は、お気軽にお問い合わせください。
