設楽町まちづくりシンポジウムを開催しました
設楽町まちづくりシンポジウムを開催しました
平成31年2月2日土曜日、設楽町役場議場において設楽町まちづくりシンポジウムを開催しました。
このシンポジウムでは、町内で活動する9団体が「自慢大会」の名のもとに、活動発表を行いました。
活動発表を聞いた69名の参加者はそれぞれのテーブルで、意見や質問を共有したのち、集約された質問を進行役であるIIHOE代表の川北秀人氏が代表して行うという方式で行いました。
主な内容を以下に報告します。
田口小学校区町づくり委員会
活動概要
- 町のよびかけにより、町の持続のために何かをしなければという思いがある有志が集まった。
- 若い世代(たぁぐっちぉ。)によるイベントの企画実行
- 活動報告を移住定住対策にしぼり、空き家マップ作成
自慢できること
- 2年にわたり、若い世代が取り組んできた
- 空き家マップ作りを多くの人が取り組んだ
今後の課題
- 地域で活動しているグループ同士のつながり
- 空き家マップ完成後はどうするか
- 地元の人に活動を理解してもらうこと
- 課題解決のための組織づくり
講師より
年間活動一覧の作成と、空き家マップ完成後には片付け&リノベーションのワークショップが効果的
田峯区及び田峯特産物販売組合
活動概要
- 田峯区の地域の3本柱は田峯小学校、田峰観音、田峯特産物販売組合であり、その存続こそが地域活性化の中心
- 小学校存続のために宅地開発を実施してきた
- 直売所の運営を活性化させるために外部より講師を招へい
自慢できること
- 直売所の売り上げ増加や活性化は見えていないが、小さなことをこつこつと重ねていく
今後の課題
- 区では、区の在り方やお祭りの実施方法の検討をしている
- 新たに取り組みを始めた『だみね足軽隊』の活動を活発化させていきたい
講師より
直売所を活性化するにあたり、内需と外需の比率を考える必要あり。
the taguchi culture club
活動概要
- 子どもに体験をさせる場の提供を目的に立ち上げた
- シルクスクリーン体験を設楽町に招きたかったが、断られたので自分たちでやることにした
自慢できること
- 失敗することもあるが、シルクスクリーン自体が奥が深くやりがいがあるため、成功した時の喜びはおおきい
- 自分たちが楽しんでやっているということ
今後の課題
- より多くの人に体験をしてほしい
- 町外のイベントにも参加して、設楽町っておもしろいことをやってるなと思ってもらうこと
講師より
後世に残したい風景や言葉を募集して、それをシルクスクリーンとして残してみては
清嶺地域活性化協議会
活動概要
- 人口減少にともなう地域の衰退化を防ぐために動き出したのがきっかけ
- 目的は「交流人口の増加」、「定住促進に関すること」、「地域活性化に関すること」とし、移住定住部会、地域改善部会、広報部会を設置
- 地域内全戸に対し、移住定住対策に関するアンケートを実施した
- 空き家を発掘し、町の空家バンクへの登録を行った
- 地域改善として、フリーマーケットや手作り雑貨、野菜販売、体験コーナーなど、売って、買って、食べて、飲んで、笑って遊ぶ、楽しい「せいれい縁日」を4回開催した
自慢できること
- 空き家の発掘は、各行政区に任せて連絡先をリスト化し、町が連絡を取れる体制を整えた
- 家主への早い段階からの働きかけにより、取り組みへの理解が得られた
- 地域改善部会が主導して開催している「せいれい縁日」は、継続性のある事業として定着しつつある。回を重ねるごとに出展者も充実しており、地域の人にも楽しみにされている。人と人とのつながりの輪が大きくなっている
- 小さな活動が地域に浸透していく。小さな動きが最終的に地域の課題解決につながっていく。
今後の課題
- 協議会全体で取り組む活動がなく、各部会に任せる形でスタートしたので、現在では地域改善部会以外の活動がほとんどない
- 地域内での認知度の低さ
- 組織内での共通理解を図ることの難しさ
- 協議会の見直しの検討が必要
講師より
フリーマーケットを行うのであれば、人気ランキングを行っても楽しい。
また、せっかくの人が集まる機会なので、防災や健康への課題解決もあわせておこなっては。
KONAGAクラブ
活動目的
- 同じ地域で生活する仲間とともに、明るく元気で暮らしたい
- 婦人会活動ではじめたバレーボールがきっかけ
- 各種スポーツ大会への参加から、地区防災頭巾の手作り配布
- 奥三河パワートレイルでの小松エイド運営ボランティア
自慢できること
- 嫁として母として、また地元で働く職業人として、お互いの立場を尊重しながらの活動
- バレーボール大会では、コーチの差し歯が取れたことが原因でリラックスして準優勝
- 5年前から奥三河パワートレイル大会の小松エイドステーション運営
- エイドステーションは手作りが売り
- メンバーそれぞれに多くの人脈(友人)がいること
今後の課題
- メンバーが仲良く楽しみながら生活していこうという活動のため、やりたい活動があるわけではない
- 高齢化が進み、社会の変化のなかで、婦人会や青年団などの組織がなくなって個人尊重の世の中で、どのように人と人がつながりを作っていくのかが難しい問題。田舎をまもってきた「結」を現代風に復活できないかと思う
講師より
地域のこまりごとと、自分たちができることの調査をしてみては
奥三河ふるさとガイド
活動概要
- 「奥三河の良さをみなさんに知ってもらいたい」という地元愛あふれるグループ
- 観光協会から依頼されるガイドが年間約70件
- 季節ごとにガイドの勉強会を行い、2か月に1度定例r会をおこなっている
自慢できること
- できる人ができるときに参加するスタイルなので、無理をしなくてよい
- 観察会や勉強会を行うことで、いろいろな場所に行くことができる
- 得意分野で自分の力を存分に発揮できる
- 歩くことが多いので健康的に活動できる
- 楽しい!!
今後の課題
- 特に設楽町内の方に、より町を知っていただけるような活動がしたい
- ガイドの人数を増やしたい
- 若い方にも興味を持ってもらいたい
講師より
せっかくの活動なので、健康分野と連携をはかってみては。
田口線50の会
活動概要
- 廃線50年を迎える田口線の思い出を次世代につなげ、設楽ダムに水没する沿線をみんなで体験するために会を設立
- 記念事業(思い出募集、記念のぼり設置、水没予定地の記録、記念グッズ製作、クラウドファンディング)の実施
- イベント(記念ウォーキング、ツアー対応、三河田口駅さよならセレモニー、三河田口駅本当のファイナル!、活動報告会)
自慢できること
- メンバーのチームワークと発想力
- 話し合いに時間をかけず、すぐに決断する
- やれる方法を考え抜く
- やりたい気持ちを尊重しあう
- みんなで分担して取り組む
- 本当にやりたいことを曲げない
- みんなで愚痴りあう
今後の課題
- 田口線のほか、町にある記憶をつないでいく活動
- 大名倉発電所、八橋発電所の発掘と測量
- ダムクロス
- 路線バスの旅
- したらかるたの作成
- 山村留学、キャンプ
講師より
クラウドファンディングの返礼品などに、クーポン配布はいかがか。現地に来て使わないといけないものがあれば、足を運んでもらうきっかけとなる
剣友会
活動概要
- 昭和54年、津具剣友会を設立。週2回の剣道教室を開始
- 小中学生は強健な気持ちと体づくりを目標に、大人は余暇を楽しむことを目的に活動
- 練習を週3回に増やし、現在も厳しい稽古を行う
自慢できること
- これまで愛知県大会で3度の優勝
- 全国ベスト8が過去最高の成績
- 卒業生は、教員や警察官、刑務官として活躍
今後の課題
- 教室参加者を北設楽郡全域から集めたい
- 剣道の良さを伝えたい
- 子どもたちに剣道を好きになってもらいたい
講師より
出張して演武や稽古をしてみては。本物を見るという機会は貴重なもの。
名倉高原山の番人
活動概要
- 平成28年4月に行われた地域の将来を考えるための「名倉地区住民意見交換会」を機に人口減少に伴う衰退を防ぐために移住促進をする団体として動き出した
- これまで、空き家の発掘、空き家所有者への連絡、町空家バンクへの登録、地域面談の実施、移住者受け入れ体制づくりを行った
- 「私と家族の10年後を考える」という各戸アンケートを行った
- 移住者を地域に紹介する場を設けた
- 「地域のこまりごと」を「地域で解決」、「できること」を「できる人」が、「できるときに」やろうと、『この指とまれ第1弾・名倉小学校の環境整備事業』として木造部のペンキ塗りを、『第2弾・敬老感謝のつどい』を行った
自慢できること
- 地域の発展のために、住民と行政がどのようにかかわり、今までとは違うかかわりをしていこうとしている
- 名倉地域には多くの住民活動団体がある
今後の課題
- 多くの団体があるが、それらが一同に会する場所がない
- それらの場所(拠点)づくりと資金調達
- 会議はこれまでの重ねてきたが実行力がない
- 会の参加者はあて職が多く、自分事としてとらえることが難しい状況が続いている
- 会の目標設定及び目的意識の共有が難しい
講師より
拠点が必要とのことであったが、その拠点を維持するために、どう稼ぐかを先に決め、試しておく必要がある。建物だけ先にできてしまうと、困ることになる。
講師(IIHOE代表 川北秀人氏)による講演の要点
- 自治とは、自分たちで決めて、自分たちで担うこと
- 日本の地域には担う力はあるが、「決める力」が弱い
- 人口より、課題が増える時代・社会は「これまでどおり」では歯が立たない
- 設楽町の高齢化率は、日本の50年先。課題先進地だからこそ、課題解決先進地になる。そのためにはチャレンジ(・・・てみる)にやさしく。頭も、心も、柔らかく
- 設楽町のこれまでの20年とこれからの20年は違う(元気な高齢者が多い時代から、介護の必要性の高い高齢者が増える)
- 設楽町が所有するハコモノの面積は、住民ひとりあたりに換算すると全国平均の5倍。つまり、これからは全国平均の5倍の維持費が必要になる
- 2015年の国勢調査の結果によると、人口構成が全国平均に近い集落もあれば、全国平均より180年も先をいっている集落もある。地域の実情に応じた地域づくりが必要
- 人口減・85歳以上増に備えるには、時間の使い方を変えるしかない。行事の棚卸、会議の棚卸、組織の棚卸。
参加者の声(アンケートより抜粋)
- 地元にいながら活動内容を知らない団体がいくつもあったので、今後もこうした機会が必要と感じた
- データを提示してくれたので、現況と未来がよくわかった
- 挙手で質問するよりも意見が出しやすくてよかった
- とにかくやってみることも大事と思いました
- 自分たちの地域をあきらめず、もっと自分たちで動かなくてはと思わされた
- 今日のような会をつづけてほしい
- 志のある人やグループをつないでいくといい
- ほかの団体の話も聞いてみたい
設楽町では、今後もこのような会(自慢大会)を開催し、町民間での自主活動の共有と、それをつないで行きたいと思っています。
この先も設楽町で、暮らしをずっと続けていくために、一緒に考えていきませんか。
